時事通信のエントリーシート Ｑ＆Ａ

質問１

時事通信のESで「影響を受けた人は誰ですか」という項目があります。
スペースは10行です。
私は、アルバイト時代に出会った日経の記者さんの名前を記載しようと考
えてるのですが、まずいでしょうか？せ


質問１の答え

ダメに決まっています。
時事通信のエントリーシートに他社の記者の名前を書けば人事に「侮辱」と受け取られます。
どの社もプライドもっています。
「日経にいけば」と嫌味いわれて、落ちます。

無難なのは歴史上の人物を。本田宗一郎、小津安二郎監督、
吉田茂（麻生首相の祖父）、織田信長、真田兄弟、緒方貞子（生きている）

外国人では、ホーチミン、ガガーリン、ケネディー、
おじさん好みの映画監督ならビスコンティ、エイゼンシュテイン
実業家ならレイ・クロック、
ボーイング（みなさんが利用している飛行機メーカの創業者、社名はもともと名前です）。

面接官に「なんでこの人なの」と聞かれるようなのが好ましいです。

また朝日新聞の面接で朝日新聞の現役の』記者の名前を出すと、やはり
「何であいつが」と思われます。深代惇郎（天声人語のコラムニスト、
1975年急性骨髄性白血病で現職のまま死亡）とかを。
毎日新聞なら牧太郎（『新聞記者で死にたい―障害は「個性」だ』（中央公論社）の著者です。



質問２
時事通信のエントリーシートで「自由に書いて下さい」という空白の欄あ
ります。写真など貼ったりしても良いのでしょうか。か


質問２の答え
民放ではないので駄目です。
イラストも駄目です。
新聞社通信社ＮＨＫは「大マスコミ」です。
「新聞記者は、裁判官、検察、警察、政治家、キャリア官僚見たいな存在だ。
日々、「事件」を「判断」、「判決」を出している」（Ｗ、リップマン。「世論」岩波文庫）

権力を持ったまじめな「集団」です。
「記事にしない権限もあります」（どの記事を書くかの判断をします）
勘違いしないようにお願いします。

読売新聞 共同通信の記者が書いた、有名な本

● 読売新聞

「会長はなぜ自殺したか」
（読売新聞東京社会部編、新潮文庫）
証券金融不祥事で自殺した6人の1人
宮崎（旧第一勧業銀行、の頭取、会長　　ＤＫＢは現みずほFG）を軸に
大蔵省キャリアも多数逮捕された「事件」の真相を追う

「三菱銀行事件の４８時間」
（読売新聞大阪社会部編、新風舎文庫）
1979年、警官、行員計4人射殺のうえ、銀行に立てこもった事件のルポです。
梅川（犯人）が女子行員をハダカにしたり、●●●●させるなど
「密室」での「猟奇的」銀行強盗事件の48時間
それを取材した社会部記者を通じて描いています。
最後、大阪府警のスナイパー（狙撃手）に射殺される描写が圧巻です。


「ドキュメント弁護士―法と現実のはざまで」
(中公新書)、読売新聞社会部）
好評の社会面での連載をまとめたもの。


● 共同通信 「沈黙のファイル」
(新潮文庫、共同通信社会部編)

伊藤忠商事の会長として「裏ビジネス」に暗躍した瀬島龍三を描いています。
瀬島は富山出身で、旧陸軍参謀、敗戦でシベリア抑留、
戦後は陸軍時代の人脈で 「戦後倍賞」（日本からアジア諸国への）をめぐる利権で伊藤忠に巨富をもたらした。
取材の中心となった魚住昭は、独立して「渡邊恒雄」（講談社文庫）など多数書いています。

また読売新聞と日本テレビの研究は
「巨怪伝〈上、下〉―正力松太郎（創業者）と影武者たちの一世紀 」
(文春文庫、佐野 眞一 著)があります。

注意
「渡邊恒雄」と「巨怪伝」は読売新聞の「真実」です。
しかし、悪口なのでエントリーシートに書くのはお勧めしません。

「記者ハンドブック第11版」 は編集者のバイブルです。

新聞で使う用語や略語などを掲載しています。朝日新聞の「改訂新版 朝日新聞の用語の手引 (単行本)と同じです。

ほかに「いのちの砂時計　週末期医療はいま」
（共同通信編、日本評論社刊）

ＥＳに書くＮＨＫ新聞社の本

ＥＳ（エントリーシート）には読んだ本などの欄が「あります。
そこには志望会社の記者やディレクターの本を書くと効果的です。
同業他社でも大丈夫です。


●毎日新聞
「新聞記者で死にたい」（牧　太郎著、中公新書）　
オウム真理教の実態を早期から暴いた。
当時、牧はサンデー毎日編集長です。
このほか記者日記とも人生論ともいえる名作です。
牧は競馬のエッセイ競馬遊侠伝 (小学館文庫)でも有名です。

「発掘捏造」（毎日新聞旧石器遺跡取材班、新潮文庫）、新聞協会賞を受賞した特ダネの内幕です。
毎日新聞の北海道報道部の記者カメラマンたちが、「カン」と「根気」と「緻密さ」で、取材する過程を描いた。
「証拠」をつかむため「疑惑の相手を監禁して自白させる」シーンが圧巻です。

「砂漠の戦場にもバラは咲く」（カン・インソン、毎日新聞社刊）
2003年のイラク戦争で米軍に「エンベッド」方式で従軍した朝鮮日報女性記者
のルポです。
朝鮮日報と提携する毎日新聞にも随時連載された。
多くの男性記者が脱落するなかで、砲撃や高温などを耐え、無事「バグダッドに到着、リアルタイムの記事となった。

●ＮＨＫ
「ドキュメント　戦争広告代理店」（高木徹著　講談社文庫）
ボスニア戦争でセルビアを「民族浄化」のレッテルを貼り付けるなど
国際世論を誘導した戦争広告代理店の実態を暴いた名作です。
大宅荘一ノンフィクション賞受賞。
高木徹ディレクターは｢ＮＨＫでねたまれ？広島に異動になった？との情報も。

「犯罪被害者の声が聞こえますか」（東　大作著　新潮文庫）ひかり
山口の光事件など被害者の記録、裁判の「被害者参加制度」のきかっけになった。

●朝日新聞
本多勝一の複数の本があります。
本多氏は社会部の編集委員（阪東も社会部記者だったが、なぜか1回も会っていない）
「アラビア遊牧民」「カナダ＝エスキモー」などの自然ものから「ルポルタージュの方法」
から「戦場の村」（ベトナム戦争の記事など）、「ＮＨＫの受信料拒否の論理」
（いずれも朝日文庫）まで多数あります。

「天声人語」（深代惇郎のが名作とされる。朝日文庫）

「追及」（山本章著、これも阪東の社会部の先輩の本、リクルート事件の報道の裏側が。現役の記者も参考になる）


いずれも絶版の場合あるので、アマゾンの「中古」で。